
外からかたちを決めずに、内側からの視点だけで壁をつくれるか
多摩美術大学 情報デザイン学科 情報芸術コースの実習スタジオに置かれた、本棚の機能をもつ壁。dNAで研究を続けていた Corpora プロジェクトを適用してつくられた。Corpora はラテン語の corpus(身体)の複数形で、局所的な決定が集積して全体を築くシステムを指す。
あらゆる人工物は、外側からの客観的な視点でかたちを決められていく。その視点は図面という表記方法に置き換えられ、表記そのものが私たちの空間概念を縛る。そこで、自分=ゼロポイントから全方向を見る極座標にもとづく表記方法「super-eye」を立て、外からではなく内側から設計する方法をとった。
壁の各頂点に super-eye を持たせて計算する。等間隔に置かれた頂点が自分の周囲を走査し、存在密度を調整しながら自己複製と自己淘汰を繰り返して、自分自身を設計し直していく。約1万5千ステップを経て、形はほぼ安定した。最大結合距離、結合数は5以下といった局所的な条件が満たされたところに、本棚として使える構造が現れている。
SPACE








COMPUTATION





DATA
| 所在地 | 東京都八王子市 |
|---|---|
| 用途 | 什器 |
| 竣工 | 2007年 |
| 階数・構造形式 | 鉄板構造 |
| 延べ床面積 | 136.17㎡ |
| 共同設計 | Ákos Maróy/Max Rheiner/小堀かおる |
| 構造設計 | NAL(鳴川肇) |
| 施工 | 有限会社 砂塚商店 |
| 写真 | 和田惠(Doable) |